外国人労務の基礎


労働基準法の適用

外国人が適法に日本に入国しているか否かを問わず、日本国内で労働をする労働者には、労働基準法が適用されます。これは、日本国内にある外国人の会社であっても同様です。


 不法就労であっても労働基準法等の労働法規は全面的に適用されることになっています。

残業・休日労働

労使協定により、残業が可能な場合においては、日本人と同様に、外国人労働者に時間外労働・休日労働をさせることができます。しかしながら、時間外労働で収入を増やしたい外国人労働者もいる反面、残業を嫌がる外国人も多くいます。残業や休日出勤が発生する際には、あらかじめその旨を本人に伝えておくことが無用なトラブルを避けることになります。採用時に、残業が発生する場合がある旨を明確にし、書面を交付しておきましょう。


 不法就労者であっても、時間外・深夜・休日労働手当の割増賃金は支払う必要があります。

不法就労者は解雇してもOK?

万一、雇い入れた外国人労働者が後日、不法就労者であったことが判明した場合、就業規則等に不法就労外国人を解雇できる規定が定めてあれば、規定にそって解雇をすることが可能となります。定めていない場合には、少々、解雇手続きが煩雑になる危険があります。


 不法就労者の解雇規定を万一のときのためにも、規則等に定めておきましょう。

労災保険

外国人労働者の日本に滞在する資格、国籍に関係なく、労災が適用されます。不法就労外国人が労災保険支給の申請をした場合において、入国当局には通報されない取り扱いになっています。ただし、次のような場合には入管当局に通報を行うこととされています。



  • 不法就労者に関し、重大悪質な労働関連法令の違反が認められた場合
  • 不法就労者に関し、労働関係法令違反が認められ、司法処分や使用停止命令を行った場合
  • 多数の不法就労者が雇用されている事業場があって、不法就労者について労働関係法令違反が行われるおそれがある場合

雇用保険

外国人社員であっても、外国公務員および外国の失業補償制度の適用を受けていることが立証された場合を除き、国籍を問わず被保険者になります。

外国人雇用状況の届出

事業主は、新たに外国人を雇い入れた場合(留学生等のアルバイトも対象となります)、その雇用する外国人が離職をした場合には、その外国人労働者の氏名、在留資格、在留期間等を確認し、「外国人雇用状況届出書」を、雇い入れた場合には、翌月の10日までに、離職をした場合にはその翌日から起算して10日以内に、雇用保険の被保険者資格取得届または被保険者資格喪失届とあわせて(当該、外国人が雇用保険の被保険者でない場合は、雇入れた又は離職した日の属する月の翌月の末日までに)公共職業安定所長に届出をすることによって、厚生労働大臣に届け出なければなりません。



届出を怠ると30万円以下の罰金がかされますのでご注意ください。

雇用労務責任者って?

「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」では、事業主は、外国人労働者を常時10人以上雇用するときは、人事課長等を雇用労務責任者(外国人労働者の雇用管理に関する責任者)に選任するものとされています。